AD1999-2005

construction report 2003/09/11

aomori museum now on work




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美術館推進課
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●養生[2003dec06sat]

広大な地下部分の一部に屋根を架け、コンクリートが氷点下に下がらないように養生しながら基礎スラブを打っているところ。屋根は竹中工務店が別の工事で使ったものの流用なのだが、幅1.5M、長さ30Mのパネルで、周りをシートで覆い、風雪を防ぐ。写真左の足場中段に見える白いビニールチューブの中を温風機から空気を送風し、この仮設室内に送り込む。コンクリートひとつ打つにも寒中コンクリートは多くの準備が必要なのだ。問題は屋根が完全ではないため、ところどころ雨水が打ったばかりのコンクリートの上に落ちると砂利が浮いてきてしまい、補修が必要になること。いくつか見つかったので、すぐ指示して対応してもらった。

●耐震試験[2003dec04thu]

前回作ったレンガのモックを、旭硝子新横浜工場にて耐震試験を行い、金箱事務所坂田さん、建築JVと立ち会い。本設計では層間変位は1/1000となっているので、はっきり言って地震では殆ど揺れを感じないほどガチガチなのだが、外壁については一応どのくらいの揺れまで耐えうるかを、高さ9Mの屋外試験機で調べるのが目的。試験機の上部が不動点となっており、下部が横にスライドすることで取り付けられた外壁モックが歪められ、目地の損傷、軋みの発音、裏側ファスナーの可動状況などを目視と写真のような装置で挙動を計測し、1/500で修復可能か、1/250でレンガの剥落がないかを確認する。結果は1/100でエキスパンション目地がちぎれてぼろぼろになったがレンガそのものは全く損傷なく、かなり強度とパネル間の変型追従性が高いことが立証された。

●ハイテンションボルト[2003dec02tue]

0節部分のトルシア形ハイテンションボルトの締付け検査。仮ボルト締付け、一次締め、マーキング、本締めの順で行う。共通仕様書89ページ。一次締めを専用電動レンチで行い、マーキングは白のラッカーマジックでボルト、ナット、座金、母材に通しで線を引く。本締めは別の電動レンチで締め、マーキングが適度にずれていることを確認して終わり。これを継ぎ手当り百何箇所のボルトが取付くところを全ての柱、梁で仕様書通り行うのだから気が遠くなる。写真の色が黒いのが本締めのハイテンションボルトで、グレーのが仮ボルト。黒い方の先端の突起部分が試験勉強で有名なピンテール。

●基礎梁[2003nov27thu]

海抜5M付近では、基礎梁がすでにコンクリートの形で現れてきた。写真は地下ピットの設備トレンチの梁。この上にさらに2Mの梁がくる。殆ど住宅が入ろうかと言うくらいの大きさ。はっきり言って現場に出るのも2週間ぶりなので、わらわらとあちこちで出来上がってくるのも他人事のように思えて、自分で引いた線の実感が湧かない。規模が大きいと、特に構造部分は基本単位の膨大な繰返しな訳だから、基本単位ごとにサイズや配筋が分かっていても、全体像を実物と理解との間で像を結ぶのは難しい。今日はやっと外装の変更も承諾され、せかされていた割付け作業も一段落したので明日からは建具の検討に入る。と言う訳で、またしばらく現場に出られなさそう。

●昇降壁ピット[2003nov27thu]

昇降壁ピットさらに下のピットの底に降り立ったところ。右から弘前の建築家前田さん、ほうじんくん、根元さん。今立っているところで海抜ー2M、美術館の最深部となっている。レクチャーホールの昇降壁が15Mあって、その半分が地下に潜るためのスペースとスクリューが置かれるスペース。四周の黒いものは地下防水のシートで、SMWと躯体の間に埋め殺される。配筋はちょうど基礎梁の部分までできた。あとは底盤のコンクリート、型枠立て込み、コンクリート流し込み、と進んでようやく海抜0Mの位置に昇降壁ピット(機械室)の床がくる。まとまった形でコンクリートの躯体が出来上がって来るまでは土木的な作業が多いから、配筋にしろ型枠にしろ結構アバウトなところが目立つ気がする。何もガイドにするものがないところから組み立てる最初な訳だから。

●レンガモックアップ[2003nov20thu]

レンガのモックアップの確認のため旭硝子ビルウォールの工場へ。JVの主題はレンガ(中国産、北海道産、中部産)の選定だが、監理側からいうと、1建物のRC部分(現場積み)と鉄骨部分(関東工場積み)のレンガが一体的なものとしてちゃんと見えるように施工できるのか、2エキスパンションジョイントを消すための弾性モルタルと塗装がうまくいくのか、ということであった。結果からいうと非常にうまくいった。一つは、カーテンウォールユニットの裏の金物が定規になってしまってレンガがまっすぐ通ってしまうという失敗だが、これはレンガを現場積み(つまり全てのレンガを現場で積むということ)にすることで解決でき、同時に青森と東京で積むということがなくなるので統一的なコントロールができる見通しがたったこと。もう一つは弾性目地そのものはとてもよくできていて、塗装してしまうとまったくエキスパンションジョイントが分からないこと。
また、出隅の積み方について、出隅を一旦カットして留で組むために、この部分だけウォールペーパーで外壁を貼ったような感じが出る。今回はここが一番イメージ通り。ただ、青木さんとは若干の見解の相違があったけども。

●版築・三和土暴露試験[2003nov12wed]

外部用トレンチの土壁=版築と、土間=三和土の冬期凍結融解試験、東京文化財研究所による水分調査、変型測定、などを行う。左官職人の久住さんに来現してもらい、壁の仕上げをお願いした。右下が久住さん。出来上がった壁面は、平滑にしようとしても生き物らしくどうしても僅かなムラがでてしまい、感じがいい。掛け軸から現代美術まで、あらゆる作品の背景としてこの上ないもののように思えた。版築中央の継ぎ目は打継ぎ実験だが、流石にこれは壁面に出てこないようにはする。

●レンガユニット[2003nov10mon]

旭ガラスビルウォールの栗橋工場にて。外壁レンガユニット背面。実施設計からユニットサイズを二倍にしてジョイント数を半分にし、内側壁にGRCを用いて止水性を高めた案を進めていて、その最初のモックアップ。これでレンガと目地のテクスチャーのチェックをして耐震試験にかける。カーテンウォールといっても全て手作りで、レンガも手積みなので職人の手癖が若干出てくることを期待している。この奥の方には並木通りルイヴィトンの外壁の完成品も大量に並んでいた。

●0節検査1[2003nov05wed]

0節は基礎部分の鉄骨のことで、その製品検査、超音波探傷試験の立ち会い。三浦建設工業本社工場。手前は金箱さん。製作中の鉄骨と工場の構造鉄骨が限り無く近い気がして、鉄骨を作っては工場を増築しているような感じがした。鉄だらけ。加工する機械もH鋼。運ぶトロッコもH鋼。ホイストもH鋼。できてくるのもH鋼。やはりやや大きめのH鋼はその断面が見れば見る程美しいことに気付いた。検査はサイズ計測、スタッドボルトをハンマーで叩いて15度曲げ、溶接に亀裂がないかを目視する検査、超音波を使って溶接内部の不良を検査する超音波探傷試験など。

●0節検査2[2003nov05wed]

ここではパス間温度測定をしている。パス間は開先部分に溶け込み溶接をする際に、厚みのある材の場合一度ではできなないので何度かくり返す(この一作業をパスという)が、パスとパスの間で入熱量が大きすぎると(材に熱が伝わり熱くなり過ぎると)不良が起こるので、溶接時間、冷却時間、入熱量を管理してパス間の温度管理をするというもの。なるほど。手前の人が持っているのがレーザーで離れたところの温度をはかるガンタイプの測定器。中央下の赤い丸がレーザー照射部。これを使うと「今日はちょっと微熱?」などと本人に気付かれず体温をはかることもできる。

●奈落の底[2003oct23thu]

レクチャーホール昇降壁の奈落を覗く。底板は海抜ー2Mにもなるので、見えている底からさらに4,5Mさらに深いが、今日の掘削で真っ黒の土が出てきた。何十万年か昔の地層で、もちろん縄文どころではない。折れた木も何本か出土した。こんな広い敷地で地下20Mも掘らなくてもいいだろうなどと今頃になって思うが、掘ってみて何十万年も人類が目にしなかった地層が空気に触れているのを見ると、それなりにわくわくするのでまあいいかとも思う。

●平板載荷試験[2003oct23thu]

昨日に続いて今日は現場での平板載荷試験。トレンチ部分の地盤の地耐力を試す。反力係数や極限支持力などの支持力特性を解析する。設計荷重は300kN(30t)で、バックホー(20t)の下に荷重計と載荷板、変位計、加圧器、測定器を仕込む。3倍の900kNかけて結果数ミリ程度の沈下しかなかった。前日の150kN試験では125kN程度で破壊したため、今日の試験は不安があったが、測定ポイントを少し変えるだけで大きく結果が変わることはよくあると言う。これでトレンチについては整地後コンクリート擁壁を打つ。

●4週強度圧縮試験[2003oct22wed]

↓6つ下の試験練りで作った供仕体の4週圧縮強度試験の立ち会い。直径10cm、高さ20cmのサンプルを圧縮試験機(前川製作所)にて毎秒5±3Nで力を加えていく。大体設計基準強度の2〜3割り増しくらいの強度がでるのだが、 セメントと水と骨材の組み合わせだけでいろんな設定強度やスランプ値を作れるというのに改めて感心してしまった。経験値的な要素が多く、かつ材料も地域によって違うため、各プラントで使用する材料をもとにした膨大なデータベースを作るのだと言う。コンクリートは生き物だ、というが、アナログなものをアナログな方法で数量化するのは地道な作業だろうことは想像に難くない。また、いちいち試験方法や調合方法にJIS規格というのが専門的にあって、建設とはまた無数の専門職の組み合わせによってしか成立しないことを痛感した。

●SMW残骸[2003oct17fri]

掘削地表に出てきたSMWの中の鉄骨をばらして積んであるところ。こうやって毎日大量の産業ゴミが出る。鉄骨のプロポーションって、美しいなあと思う。誰が考えたんだろう。

●スワン[2003oct17fri]

大量のバックホーが掘ったり運んだり解体したりしていて、さながらスワンの群れが降り立ったよう。拡大図。この現場にはないが、溺れたスワンも他にはいたようだ。この地盤が地下2階ー6950mm、ようやく最下層が整地されてきた。あとは敷砂利を敷いていよいよ基礎コンクリート。ただ、今写真右に見える構台の柱が建物の柱と重なってしまっていて(施工図チェックミス)、本体側躯体の調整が必要になってしまった。各工事段階ごとに必要な図面が変わるので、なかなか大変。

●昇降壁ピット[2003oct17fri]

構台の上から最下層を除き込む。その差約14m。アレコホールはさらに5mも高い。踏み外すと大変。レクチャーホール前面にあって昇降し、そのアレコホールと繋げる昇降壁の収納ピット。非常に狭いところで土をすくい出す。注目はこの特徴的なバックホー(テレスコ)で、先端がスライドして持ち上げる仕組みになっている。ピット内にはミニバックホー。動きといい、全体に対しての突然のスケール感といい、殆どマンガな光景だが、現場にマンガはない。

●体育館解体2[2003sep30tue]

残ったメインアリーナの解体で、なぜか両側の壁から解体しているので向こうの山が見えてしまっていて、とってもシュール。手前の重機がせわしなく動く。この規模が、建物という保証がなくなったところで急に面白くなってきた。ひょっとしてパンテオンだってそのせいで面白いだけじゃないか。

●戦車[2003sep27sat]

三度目のアースアンカーのための削孔機。ほとんど戦車。男子のロマンは重機も戦車も同じ。「戦争と建築(五十嵐太郎)」もこの点には言及していないのではなかろうか。現在、旧スロープの位置をずらしてその部分の未施工のSMW(山留め)を行うため、新スロープ完成と旧スロープ解体までの間待機しているところ。

●試験練り[2003sep26fri]

コンクリートの打設計画書というのがあって、それに先立つ成分を適正に調合する調合計画書というのがあって、さらにそれがちゃんと行われているかを確認する試験練りのための試験練り計画書というのがある。先は長い。今日はその試験練りに立ち会った。2社のプラントに行き、27N、30N、33N、のコンクリートに対しそれぞれスランプ値15cm、18cmのものを、計6回練り試験をし、かつそれぞれの組み合わせについて1週と4週の材令の圧縮強度を調べるため各3本の供試体(破壊試験にかけるサンプルピース)をつくる。計36本の供試体となる。疲れる。

●体育館解体2[2003sep24wed]

もぐらの道筋。ここは下の写真を撮ったところの足下で、数カ月前に埋蔵物調査が終了したところ。残念ながら実物には会えなかったが、かなりの固体数があるらしい。いたるところ掘り起こされている。調査で住処を荒らされたわけだが、これも小さな土工事として記録することにした。

●体育館解体2[2003sep24wed]

下の写真からすっかり解体が進んでサブアリーナはなくなってしまい、瓦礫の山となった。ちょうど下の写真にある2台が反対側までやってきて、重機が後ろ振り返ったところ。体育館は壁だけで中身がないので驚く程解体も早い。左端に見えるのが美術館A工区の終わりの部分で、敷き鉄板があるところから重機のあるあたりまで、B工区となる。

●体育館解体[2003sep20sat]

美術館の南側にある旧体育館がちょうど重なってしまう範囲をB工区とし、先行するA工区に追い付くよう、解体工事が終了してからB工区着工の予定としている。写真は解体の様子。油圧式ハサミのようなヘッドで丁寧に切り取っていく。屋根材、構造材、躯体を分別して、水を掛けながら。一方でどんどん土を掘って建設し、一方で解体される建物、また他方では太古の建物を掘り起こして調査する。この建物にまつわる各工事は、それだけでたくさんの時間の流れを意識させるものとなっている。デザインなどほんの一瞬の出来事に過ぎないと言う分かり切ったセンチメンタリズムも、この場では押さえることができない。

●構台見上げ[2003sep11thu]

手前にある歯のように短く地面から突き出た鉄骨がレクチャーホールの昇降ピット。構台が見える辺りがアレコ展示室。柱スパンが約6m、高さ11mなので、高さにして約2倍、一辺の長さ+αくらいがアレコ展示室の大きさなので、相当大きい展示室だということがすでに感じとれる。仮設の構造って華奢でいいなー、と思う。ブレースなんてめちゃくちゃ細い。

●一次根切り終了[2003sep11thu]

どうやって根切りをしていくかがよくわかる。中央の乗り入れスロープを残して土を書き集め、敷鉄板をまとめ、一定の深さにしていく。これでやっと一次根切りが終了。画面右の構台から最下層までは約11mもある。ここからさらに3mほど全体に掘削する。山留めにぐるりと見える鉄骨の赤い帯が一次アースアンカーで、順次二次アンカーに入る。

[-2003sep10wed]