AD1999-2005

construction report 2003/12/19

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美術館推進課
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●南トレンチ[2004jun02]

殆どエジプトの発掘現場のよう。アレクサンドリア図書館の発見と言っても通じるような。いよいよ本館南側の最大にして最大の見せ場のトレンチの工事が始まったのだが、着工1年を過ぎて未だ掘削中という特殊な状況の中、それでも雨水層の捨てコンが打たれたところ。今回の土木的なスケールに自信を深めつつ、制御の難しさに自信をなくしているところでもある。特に現場の夕方は感傷的な空間である。このトレンチは創作ヤードと呼ばれ、作ること、展示することに対して全くオープンな場所で、永久設置の作品の横で製作が続けられる、というような風景が現れることだろう。とにかく広い場所であるということが如何にそれだけで意味を持ってしまうか、想像できる。

●展示室階段2[2004may17]

先般の製品検査で確認した展示室階段2が取付いた。写真右は展示廊下5。この廊下は設計段階では中途半端であまり好きな場所ではなかったのだが、この長さと高さは結構いいな、と思った。特に反対側、展示室Dからの眺めはなかなかよい。シャイニングのような。基本的に今回の計画は迷宮的だから、ふとこういう場所に出会うことが多い。それは本来なら設計の主旨としては作りたくなかったプロポーションの残余空間なのだが、この場所のような分岐点が好みの僕にとっては、どちらに行こうか引き裂かれる思いをするのがまた楽しい。と想像してみた。階段は真っ白にして、まあありがちなスペースにはなっているが重要なパートを担っているので今後も注意深く見ていきたい。

●照明実験[2004may14]

東京での照明実験。土の展示室の鉄骨照明バーを弱軸使いとした上で、ウェブの上には天井を照らす蛍光灯を仕込み、下にはスポットのためのラインダクトを流す。写真はその蛍光灯のための反射板の向きを変えながら調整しているところ。間接照明的な、蛍光灯のアッパーで照り返された色温度の高い(4200K)明かりと、ハロゲンスポットの演色性の高い明かり(3500K)を重ねて均質な壁面を作ろうとしている。展示室照明にはハイサイドや光天井など、ポピュラーな方法が他にもあるが、この美術館では展示室が全て地下にあること、メンテナンスの容易さから、この方法を採った。今回の実験で蛍光灯の本数と色温度の配分について検討し、方針を決定した。次回に本物の展示室で実験をする段取りを検討して解散した。

●モックアップ会[2004may11]

青木さん来現でモック会。地下2回D展示室付近をモデルに、版築、建具、レンガの取合いをみる。意見が分かれたのは内観の建具について。青木さんは、外観がシャープで良いのに対して内観ではスティールの押縁が取って付けたように鈍臭いので、ガラスの構成ごとにフレーム化することを提案するが、僕は外観がシャープなのはレンガの分節との対比もあるから、内観の鈍臭い押縁も展示壁面が均質で大面積あることと比較すればちょうどよい太さ(鈍草さ)ではないかと反論。しかし版築面はぼろぼろしているから、確かにそことの取合いを考えるとフレームにしてオープンジョイントを付けた方がしっくりくるような気がしてきた。スティールサッシ自体が既にある程度柔らかいものだから。僕がいつも気にする素材の意味と言うのは、こういう材料にまつわる質感の記憶とその総体のことなんだな。

●鉄骨階段検査2[2004apr28]

先週に続き階段検査。今回はむしろ塗装の仕上げをどうするかに議論が絞られた。黒皮を残しての塗装はやはり剥離の危険があり、諦めざるをえないが、サンダ−かけした歪んだ鏡面にスモーククリアとすることで映り込みと落ち着いたトーンを同時に出せないか、可能性を検討することにした。急遽予定を延長して大日本塗料に行き、エポキシクリアの防錆性能などについてヒアリングした。クリアにすると防錆顔料を混入できないために防錆性能は殆どないが、膜厚を与えると水蒸気が入り込むのを遅らせることが出来、効果はある。ただし仮設期間中の条件によって最終的に発錆を防げるか確証はない。ジンク系下地をしてしまう前に、クリアでやってみて、仮設養生終了後の様子を見てから、ウレタンクリアでフィニッシュにするかクリアを諦めてジンクリッチ上塗りか最終決断することにした。

●モック[2004apr22]

レンガまで積んでガラスも入れた状態。ここまでは青森にも馴染みの深い前川っぽい。レンガだけでそれらしく見えてしまうから建築にまつわる経験と記憶は重要だ。これが白く塗装されると全く違うものになるはず。実際作ってみるといろんなことが見えてきて、机上の理屈がそのまま完全に再現されるとは限らないので、これからさらに修正が必要になる。施工技術が分かり過ぎていると机上での理屈が抑制されてしまうし、分からなさ過ぎても妥協が増えて思い通りに行かなくなる。このバランス、つまり突き放し方と引き寄せ方、そして最後にまとめきれるアイデア。実現させるための技術はむしろ工学的な知識だけではない。

●鉄骨階段検査[2004apr21]

茨城県新治のステアックス工場まで展示室J階段の製品検査へ。躯体に打ち込まなければならない関係上、最も製作を急ぐ階段なのだが、仕上げや納まりについては散々話し合ってまだ解決策が見えず、実物を見て出て来るアイデアもなかなか技術的に難しいなど、難航している階段。鉄板25mmの折れ板が躯体からキャンティレバーで出ているもので、かなりの重量感と空間の中における軽やかさとが出るはずなのだが、塗装ひとつで台なしにしてしまわないよう検討を重ねている。仕上げは希望としては黒皮やグラインダーの跡が残るようなものを模索しているが、塗装に含まれるシンナーと黒皮の相性の悪さ、長らく施工中使用することなどを考慮するとかなりしっかりした防錆処理が必要なことから、限られた選択肢の中から選ぶことになる。写真は溶接部をどこまでピン角にできるかを工具をあててみているところ。

●モックの建具のガスケット[2004apr17]

モックアップに取付く建具部分(想定は学芸室Y27通り)に、外壁内側壁のGRCパネルと止水ラインを形成するガスケット(黒いゴムチューブに見えているもの)の取付作業風景。足をかけているのが軒天レンガGRC打ち込みパネルの裏側で、パネル同士のジョイント部がレンガの目地になってジグザグしているのが確認できる。ガスケットと建具を取り付けるのは接着剤で、意外とローテクな感じがした。これを建具回り全周に渡ってダブルで取り付ける。月曜には建具以外の面に全て内側壁が隙間なく取り付けられる予定。

●カラーモルタルサンプル[2004apr16]

展示室床のカラーモルタルのサンプルと防塵塗装比較実験、さらにポリッシャーの対磨耗比較実験。白くするには白竜を多くするのだが、以前のサンプル作りでは白すぎて床には適さないと判断していたものが、ポリッシャーをかけてやや表面のエフロや色材が取れて砂が見えてくるくらいがちょうどいいことがわかった。ただ大面積になるとまた少し明るくなるのと、ボードとの色味の相性もあるのでまだまだ実験することはあるように思われる。最大の難関はたたきとカラーモルタル床の見切り部で、どうしてもコントラストがついてしまうのでその辺りは適当に踏みならして汚すとか、感覚の導入が必要かも。

●天井吹出し[2004apr16]

展示室天井の空調吹出しについて、パンチングメタルの無数の小さな穴から行うという原設計の内容を確認するため、既に組み上がった展示室Dの鉄骨からぶら下げて地上5Mの高さで確認。青木さんの来所に合わせて用意した。結果、意外と穴が目立ってしまい、平面としては均質になるのだが全体にグレー味を帯びたものになってしまうのでボツ案となった。展示室のようにできるだけニュートラルで均質な空間を作ろうとすればするほどちょっとした設備が異常に目立ってしまい、目立たないように努力すればするほど逆効果ということは十分予想できるのだが、やはり実際に試してみると、何をすることが実空間のなかで重要なことなのかがよく分かる。

●耐震性能評価試験[2004apr14]

版築内配筋のSUS D13に予め絡ませておいたD13鉄筋4本に、玉掛けしてクレーンで釣り上げ、版築の面外強度を確認する試験。自重に耐えられれば(1G)クリアという条件で2サンプルとも難無く合格。版築は厚さ200mmだが、この厚みや鉄筋太さ等、もう少し小さくしても条件を満たすか今後追跡試験を行っていく。それと試験体は冬の間ずっと暴露されていたために、セメント分のエフロが激しく、白茶けてしまっているので、今後酸洗いして表面を安定させて行く実験も必要。背景に見えるのは昨年秋に行った版築・たたきのモックだが、版築面にストライプ状の色が着いているのは表面保護材の塗料によるもので、右端は色としてはいいのだが近視的に見るとやや光沢が残ってしまい、樹脂っぽいので、ドライな真ん中の塗りが好いように思える。

●ダメ[2004apr05]

仮設鉄骨を取り外した跡。今は本設と仮設が混在した状態なのだが、用の済んだ鉄骨は本設のスラブから丁寧に抜き取られ、その痕跡だけが残る。そうしたダメ穴がまた美しい。開口部がこうであったら、なおいい。この穴は実体ではなく既に概念だから。多分ビーコンなんかにある作品もこんな質ではないかと思った。

●外防水[2004mar22]

設備棟(↓)地下部分の外防水の塗膜施工直後の様子。原設計では機械的防水(二重壁)を採用していたが、室内の湿気や地下水位の高さもあって変更した。この上にプロテクト材を吹き付け、埋め戻しの土で痛まないよう保護して終了。防水材は凄く面白くて可能性のある材料だと常々考えていて、今は中止となったアトリエ・レジデンスでも当初計画していた。シームレスに表面を被えるということもあるし、ウェットな質感もいいし、どんな下地にも追従・塗装できるという柔軟性もある。地上部分は通常どんな建物も機械防水の上結局シールしてしまうので最初から全部これにすれば足りるんじゃないのか、というのが日々の感想。使い方についてはいくつかアイデアはあるのだが、今回はそれが表現のメインではなく表にも出てこないので将来に持ち越し。明日は膜厚検査。

●鉄骨立方[2004mar19]

手前右に見えるコンクリートの塊が設備棟の基礎で、奥に見える鉄骨の軸組が展示室Dの天井と展示ロビーの床をつくる部分。既に収蔵庫のトラックヤードと昇降床が形になっている。建築が決して表層の戯れなどではなく、構造とボリュームの秩序と暴力であることをこの段階で示してくれる。軸組が面白いのは、基本的に線材でありながら部材個別の強度特性を持っていて、全体としてようやく成り立つバランスを視覚化してくれることと、それをとにかく一望できることにあると思われる。やがて壁厚や天井高さは最後まで鉄骨のサイズに左右されながら組み上がるが、表層からその存在を消すことができない。仕上げの作り方はそれをひとつのテーマにしている。

●展示室Dからの眺め[2004mar09]

仮設屋根を殆ど取り払ったので、ついに地下2階は建物の全貌を現した。写真は展示室Dから西側外部トレンチを見るところ。このトレンチは今後2〜3M厚のスラブを打ち、手前床レベルと揃う。かなり見どころのある展示室なので気になっていたが、規模やヴィスタ供に迫力あり。ここは全て床壁が土になる。トレンチに見える鉄骨は山留のものなので、仕上げは両側2Mづつ狭くなり、かつ高さは奥に見える法面表土よりも高い位置になるので、プロポーションはもっと縦長になるが、これだけのボリュームをただ掘っただけの展示空間は外部とは言え前代未聞のものになるのは必至だと思う。土という即物的な素材を使いながら、均一で巨大であるというだけでどれだけ抽象的に見えるか、が狙い所だが、往々にして工事現場は面白いものなので、これがどう化けるかが今後の定点観測ポイント。

●カットレンガサンプル[2004mar08]

2004feb19(2つ下)で試験積みしたものは焼成後カットだったので、本番通り焼成前カットしたものを焼いた見本を並べたところ。断面が変形しているのでレンガ内の密度が変わってしまい、一定の曲率を持つようになってしまった。積むにはいいが、これではカットレンガの位置だけ目立ってしまう。乾燥後に予め変形と逆に自重がかかるように積み方を工夫すること、ライン上で押し出しの際に摩擦変形をしないようカットする位置を中心に持って来ることなどを決めて再度サンプルを作ることとした。前回の宿題であった角抑えのためのローラー(2004jan24)は取付もうまくいき、概ね出来は良好であった。これによってレンガの表裏の表情が近くなったので、施工の際には表裏を気にして積む必要がなくなり、また適度なばらつきが全体に行き渡るようになったと思われる。

●展示室C[2004feb19]

展示室Cは全体の中でも小さい方の部屋で、地下2階にある企画展示室。現在は梁にデッキプレートと断熱材を敷き詰めたところで、このあと配筋と設備配管をしてコンクリート打ち込み。上に見える仮設屋根が約4.5Mほど。全体的ににコンクリートの壁は写真手前のように配筋しているので各部屋の配置と大きさが掴めるようになって来たが、建物はさらに様々な仕上げや照明が加わる総合的なものなのでやはりまだ想像が付きにくい。色付きの範囲が少しセットバックしているのは展示室にバックスペースを設けているためで、これによって展示室は少し狭くなるのだが、壁面を表裏から自由に加工し様々な展示にスマートに対応できるので、室内に雑多なものが置かれる可能性を少なくしている。だから展示が始まると意外に広く使えたり。想像しにくいと言うのはこういう使い方も含めた空間としてということ。

●レンガ加工[2004feb11]

先日の北海道レンガ工場での打ち合わせの結果を踏まえて、試験加工したもので現場内に積んだもの。白い目地は弾性目地になっているのだが、背後から支える厚さ6mmの金物を挟むために、通常15mmのレンガ目地の中ではモルタルの厚みが金物の上下で4.5mmしか取れず、遊びがなく施工が困難なうえ金物が定規代わりになってしまって直線的に積まれてしまう。これを回避するためにレンガの断面を斜めにカットし、モルタルが十分付着し施工誤差を吸収するようにした。カットの仕方は2種類用意して生産ラインに乗るかどうかとアピアランスの検証を行う予定。養生後塗装して18日の青木さんの来現の際のチェックを受ける。CADの精度と実際の精度の間を埋めるのは、やはりこうした沢山の実験と検証以外に道がないという意味では、時間と労力を惜しまないJVにはいつも頭が上がらない。

●地下2階スラブ配筋チェック[2004feb11]

金箱さんの来現で、地下2階スラブ配筋のチェックに同行した。写真はチケット売場脇の踊場と呼んでいる1.3m高くしたラウンジスペースと、そこへのアプローチスロープ。かなり具体的な建物の輪郭が現れて来た。写真下に見える白いチューブは強電関係の埋設物。鉄筋と断熱材との間にところどころクリアランスが取れておらず、コンクリートが回り込めない箇所があったため、金箱さんの指示で一部床下断熱材を外し、十分な隙間を確保した上で断熱材はピット下より後付けすることとなった。仕上げ関係はぎりぎりまで修正は可能ではあるが、躯体は一度打ってしまうと取りかえしがつかないので慎重な計画とチェックが必要。こういう態度の違いは設計の仕方にも影響するもので、大変興味深い。決して意匠設計がゆるゆるというわけではないが、優柔不断なのは確か。

●レンガ生産ライン調査[2004jan24]

レンガの最終候補に残った中国産は凍結融解試験に8サイクルで脱落したため、北海道産のものを使用することに決定したが、日本の工業生産物特有の精度の良さ、カット時の土のめくれが決定的に版築・三和土との相性が良いと思えないので現地工場に直接赴き、ライン上でどこを工夫して細工できるかを数時間に渡って技術的な打合せをした。写真はラインの乾燥直前にローラーで表面をならす実験のところ。最終的にはピアノ線でカットする直後に機械に細工してレンガの角を押さえることにした。今回のように単一の素材が膨大な量現れる場合は、全体の構成以上に素材相互の精度感のバランスが重要となるように思われる。それは土とレンガ、建具、ボード類の使用面積と色、納まりとも関連する非常に有機的な関係性でもある。取りあえずサンプル焼きをしてさらに調整する予定。

●版築モックの暴露試験[2003dec26fri]

雪とのコントラストはすばらしい。ホワイトキューブとの相性もいいのではないか。もう少し濃くても良いようには思うけど。手前左の露出した面は融雪装置の組まれているところ。見事に解けているが、装置を入れているところと入れていないところの境目で凍害クラックが入ると予想されたので今は中止の方向で考えている。あと、床だけきれいに雪が積もって壁に積もらないのはなんか面白くないなあ、と思った。風の向きなんかで実際は場所によって大分様相は違ってくるとは思うけど。

●仮設屋根[2003dec26fri]

仮設の屋根を架け、コンクリートの初期養生温度が下がり過ぎないようビニールシートで覆う作業中。この屋根でだいたい12〜13Mくらい。仮設であっても、屋根というものが如何に重要なものかが良く分かる。屋根の上に積もった雪は50cmが荷重限度なので、それごとに搬出する。屋根の下は下の通り↓。

●配筋検査[2003dec19fri]

小雨の降るなか基礎梁の配筋検査。鉄筋の径や本数、間隔が図面通りかをチェックする。基礎梁は2Mを超えるので、グリッドで囲まれた範囲はもはや侵入不能なので、周囲を確認するのと足場の上から眺めるしかない。明日はもう少し踏み込んで内部に入っていくつもり。部分的には型枠も外れたので、正確なサイズが分かるようになってきたが、鉄筋のままではなかなか把握しづらい。写真中央下に見えるのがスリーブ、左下はフ−チング。これ以外に柱やサポートや継ぎ手があたったりして、結構配筋は等間隔にならないし、何の鉄筋がどれかもまちまちになってしまう。このあたりが安全率をみるってことなのかと思う。

[-2003dec06sat]

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